ストレートネックが重症化したらどうなる?治療法や予防ストレッチを解説!

ストレートネック

ストレートネックが重症化すると、頸椎ヘルニアになったり、自律神経の乱れによるさまざまな不調に悩まされたりします。

重症化して腕にしびれが出た場合は、まずは整形外科の受診をおすすめします。

また重症化させないためには、軽症であっても早めに対処することも大切です。

この記事では、ストレートネックの症状や治療法、予防ストレッチについて解説します。

セルフチェックの方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

ストレートネックとは

ストレートネックは別名「スマホ首」とも呼ばれており、スマホを使用する機会の多い現代の生活様式において、悩まされることの多い症状です。

ここでは、ストレートネックの状態や原因について詳しく解説します。

ストレートネックの状態について

ストレートネックとは、頸椎と呼ばれる首の骨がまっすぐになった状態です。

背骨を横から見ると、本来であれば首から腰にかけて緩やかなカーブを描いています。

しかし、スマートフォンやパソコンの使用により、頭が前方に傾くと、頸椎はまっすぐに伸びた状態になります。

頚椎がまっすぐになると、健康を損ねることがあるため、最近はとくに問題視されているのです。

ストレートネックの状態について

ストレートネックの原因は次のとおりです。

  • スマートフォンやパソコンの長時間使用
  • 度の合っていないメガネやコンタクトレンズの使用
  • 身長に合っていないデスクや椅子の使用
  • 高すぎる枕での就寝
  • 猫背などの不良姿勢

以上の他にも、お尻の筋力低下も間接的な原因になり得ると言われています。

お尻の筋肉が低下すると、骨盤が前傾して反り腰になり、猫背の姿勢になるからです。

猫背になると自然と頭が前方に突き出した状態になるため、ストレートネックになります。

重症ストレートネックの症状

ストレートネックが重症化した場合、次のような症状が現れます。

  • 頭痛
  • 肩こりや首の痛み
  • 手や腕の痺れ
  • 自律神経の乱れ

各症状について解説します。

頭痛

ストレートネックになると、緊張型頭痛や片頭痛の発症率が高くなります 。

これは、ストレートネックにより、肩や首の筋肉が緊張しやすくなるからと考えられます。

筋緊張型頭痛とは筋肉が緊張して血行が悪くなることで起こる頭痛。また片頭痛は、頭部の血管が拡張することで痛みを感じる症状です。

いずれも肩や首の筋緊張が原因で、頭部への血流量が減少して発症します。

肩こりや首の痛み

ストレートネックになると、首を前方に傾けた姿勢になるため、首や肩にかかる負担が大きくなります。その結果、肩こりや首の痛みにつながります。

成人の頭部の重さは約4~6kgといわれています。さらに首の傾きが大きくなるに従い、首にかかる負担も大きくなるといわれています。

アメリカの脊椎専門医であるケネス・ハンスラージ氏は、首の角度に応じて次のように負担が増加することを報告しています。

  • 首の角度が15度で12kg
  • 30度で18kg
  • 45度で22kg
  • 60度で27kg

(参考:スマホを見るとき首を傾けると、10キロ以上の重みがかかる(研究結果)|HUFFPOST

小学校1年生の平均体重は約21kgです。そのため、首を45度傾けた状態を続けると、首で小学生の体重を支えるのに近い状況になるといえます。

手や腕の痺れ

ストレートネックが重症化すると、首の血管や神経が圧迫されて、腕や手足にしびれが起こりやすくなります 。

また、ストレートネックによる手や腕の痺れが2~3日取れない場合は、頚椎椎間板ヘルニアも疑われます。

頸椎椎間板ヘルニアとは、首の骨の間にある「椎間板」が飛び出した状態です。

ヘルニアであるかどうかを判断するためには、整形外科などを受診してレントゲン検査を受ける必要があります。

自律神経の乱れ

ストレートネックが重症化すると、自律神経にも悪影響を及ぼすことがあります。

自律神経とは、人間が生きる上で必要な体の機能を維持するための神経です。

そのため、自律神経が乱れると内臓の動きや血圧、疲労感、睡眠、感情などさまざまなことに影響を与えます。

たとえば、めまいや耳鳴り、倦怠感、不眠などの症状が現れます。

ストレートネックの診断とセルフチェック方法

ストレートネックなどの骨のゆがみを診断するためには、整形外科などの医療機関でレントゲン検査を受ける必要があります。

自分でチェックする場合は、壁に背を向けて立ち、かかと、お尻、肩甲骨、後頭部の4か所が問題なくつくかどうかを確認するとよいでしょう。

ストレートネックの治療法

ストレートネックとひと口に言っても、軽症なものから重症なものまでさまざまです。

ストレートネックが重症化して頸椎ヘルニアになると、最終的に手術が必要になる場合もあります。

ここではストレートネックの治療法について解説します。

セルフケアとライフスタイルの改善

症状が軽度の場合は、セルフケアやライフスタイルの改善に取り組むことをおすすめします。

首を軽く後方に倒すストレッチを行ったり、肩甲骨周辺の筋肉をトレーニングしたりしましょう。

またスマホやパソコンを使用する際は、できる限り首を前に曲げないように心がけたり、適度に休憩を挟んだりすることも大切です。

骨盤矯正や整体

整体院や整骨院で骨盤矯正や整体を受けると、ストレートネックによる症状の緩和が期待できます。

ストレートネックの根本原因を解決するためには、姿勢の改善や骨盤の調整が欠かせません。

整体院や整骨院では、体全体をチェックして姿勢を改善するための施術法を提案してくれます。

ストレートネックによる首の痛みなどで悩んでいる場合は、相談してみるとよいでしょう。

薬物療法

ストレートネックが重症化して整形外科を受診すると、頸椎ヘルニアと診断されることがあります。

その場合、痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が処方されることがあります。

また筋肉の緊張を緩和するために筋弛緩剤が投与されることもあります。

ただし、薬物療法は症状の一時的な緩和にしかならず、根本的な治療にはなりません。

そのため整形外科では、リハビリテーションが行われることもあります。

リハビリテーション

ストレートネックが重症化した場合、整形外科では次のようなリハビリテーションが行われます。

  • 筋肉の緊張を緩和するためのストレッチやマッサージ
  • 姿勢の改善
  • 筋力トレーニング
  • 牽引療法
  • 電気療法
  • 温熱療法

リハビリテーションにより、筋肉の柔軟性や血行が改善され、痛みやしびれの緩和、機能の回復が期待できます。

外科手術

整形外科のリハビリや薬物治療で効果がなかったり、神経症状が強かったりする場合は、手術が必要となることもあります。

たとえばストレートネックが重症化して頸椎ヘルニアになると、手術が提案されるケースがあります。

頸椎ヘルニアに対して行われる手術は、椎間板を取り除き、神経を圧迫している原因となっている部分を切除する手術が一般的です。

手術後は、リハビリテーションが行われます。

ストレートネックの重症化への予防と対策

ストレートネックは重症化する前に予防したり、対策を講じたりすることが大切です。次の予防法や対策法について解説するので、参考にしてください。

  • 正しい姿勢の維持
  • ストレッチングと筋力トレーニング
  • 適切な枕の選択
  • 定期的な健康チェック

それぞれについて詳しく解説します。

正しい姿勢の維持

ストレートネックを予防するための正しい座り方

ストレートネックを予防するためには、次の点に注意して正しい姿勢を維持することが大切です。

  • デスクワークの際は画面を見る角度を上げる
  • 首を前に出しすぎないようにする
  • 背筋を伸ばして座るように心がける
  • 骨盤を立てて座る

とくに目線を上げることを意識すると、首を曲げずに済むため、ストレートネックの予防になります。

ストレッチングと筋力トレーニング

ストレートネックを予防するためには、タオルを使って首をストレッチしたり、肩甲骨周りの筋肉を鍛えたりするとよいでしょう。

ストレッチの方法

自分でストレッチする場合は、タオルを利用すると痛みを抑えて首を動かせます。たとえば、次のようなストレッチをしてみてください。

ストレートネック予防のための首のストレッチ
  1. 立った状態もしくは座った状態で、タオルを首にかける
  2. タオルを斜め上方に引っ張る
  3. タオルを引っ張ったまま、首を後方へと倒す

首に痛みが出ない範囲で行ってみてください。

筋力トレーニング

筋力トレーニングは肩甲骨周りの強化を意識するとよいでしょう。次の手順で行ってみてください。

ストレートネック予防のための肩甲骨トレーニング
  1. 両手を肩に当てる
  2. 肩に両手を当てたまま腕を後方に回したり、前方に回したりする

腕を回す際は、背中にある肩甲骨をなるべく引き寄せることを意識しましょう。

適切な枕の選択

首に負担の少ない枕を選ぶためには、頸椎の自然な湾曲を保つことが重要です。

枕の高さは、寝ているときに頭が前に出ることがなく、自然な湾曲を保てる高さになる枕を選びましょう。

また、硬すぎず柔らかすぎない適度な硬さのものを選ぶことも大切です。

定期的な姿勢チェック

ストレートネックのセルフチェック方法

ストレートネックになっていないか定期的にチェックするのもおすすめです。ストレートネックをチェックする場合は、次の手順で行ってみてください。

  1. 壁に背中を向けて立つ
  2. 壁に背中とお尻、かかとを付けるをつける
  3. 後頭部を壁につける

後頭部が壁につかなかったり、壁についたとしても首が痛くなったりする場合はストレートネックの可能性があります。
もしすでにストレートネックの場合は、整骨院や整体院で姿勢を整えてもらうのもおすすめです。

ストレートネックが重症化する前に治療を受けよう

ストレートネックが重症化すると頸椎ヘルニアになったり、腕にしびれが出たりします。

また自律神経が乱れて、さまざまな症状に悩まされることもあるため、重症化させないことが大切です。

今回はストレートネックの重症化を予防するための方法についても解説したので、ぜひ参考にしてください。

当院にお越しいただくと、ストレートネックの原因となる姿勢の改善や骨盤矯正を受けられます。

日常生活の過ごし方についてアドバイスなども行いますので、すでにストレートネックでお悩みの場合は、当院にご相談ください。

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