【プロ向け症例解説】ピラティスで悪化する右肩痛。その正体は「肝臓の沈黙」かもしれません。

「健康のためにピラティスを始めたのに、逆に肩が痛くて...」

「整形外科では異常なしと言われたけど、湿布を貼っても治らないんです」

先生の治療院に、このような「原因不明の右肩痛」を訴える40代〜50代の女性患者様はいらっしゃいませんか?

特に、「仕事の付き合いで外食やお酒が多い(営業職など)」という生活背景がある場合、その痛みは筋肉の問題ではありません。

もし先生が、この訴えに対して

  • 棘上筋や三角筋のマッサージ
  • 肩甲骨はがし
  • 猫背矯正

これらを漫然と行っているなら、残念ながらその痛みは治りません。

なぜなら、その痛みは「沈黙の臓器(肝臓)」からのSOS(関連痛)だからです。

今回は、臨床歴27年の経験から、多くのセラピストが見落としがちな「内臓由来の右肩痛」のメカニズムと、

それを徒手療法で見抜き、根本解決するためのアプローチ法について解説します。


なぜ「肝臓」が悪いのに「右肩」が痛むのか?

「内臓と肩なんて離れているじゃないか」 そう思われるかもしれませんが、ここには明確な「神経の配線」という医学的根拠が存在します。

患者様への説明にも使える、2つのメカニズムをご紹介します。

1. 神経の「混線」が起こす錯覚

肝臓の被膜や、その直上にある横隔膜の知覚を支配しているのは「横隔神経(C3〜C5)」です。

一方、肩の皮膚や筋肉(僧帽筋上部など)の知覚神経も、同じ「C3〜C4」から出ています。

  1. 暴飲暴食やストレスで肝臓が疲労し、腫れ上がる(うっ血)。
  2. その信号が「横隔神経」を通って首の付け根(頸髄)に入力される。
  3. 脳が「入力信号の混線」を起こし、「肝臓が苦しい」ではなく「右肩が痛い」と誤認する。

これが「関連痛(Referred Pain)」の正体です。 つまり、患者様が訴えている「肩の痛み」は、脳の勘違いによる「肝臓の悲鳴」なのです。

2. 肝臓の膜が「風船」のように引っ張られる

肝臓自体には痛覚がありませんが、それを包む「グリソン鞘(被膜)」には痛みのセンサーがあります。

うっ血してパンパンに腫れた肝臓は、空気を入れすぎた風船のように被膜を引き伸ばします。

さらに、ピラティスで腕を上げたり腹圧をかけたりすることで、腫れた肝臓が物理的に圧迫され、被膜が悲鳴を上げます。

これが、「運動しているのに(運動しているからこそ)痛みが悪化する」原因です。

プロが見抜く「肝臓疲労」7つの鑑別ポイント

整形外科的疾患(腱板損傷や五十肩)と、内臓由来の痛みを見分けるためのチェックリストです。

問診時に以下の項目を確認してください。

  1. 運動時痛より自発痛 「動かした時」だけでなく「じっとしている時・夜間」も痛む。
  2. 食事との関連 油っこい食事やアルコール摂取後に痛みが増す。
  3. 夜間痛の時間帯 夜中の「1時〜3時」に目が覚める(東洋医学的な肝の時間)。
  4. 右季肋部の圧痛 右の肋骨弓の下(肝臓エリア)を押すと、張りや不快感がある。
  5. デルマトーム(皮膚分節) 痛みや違和感が、C3-C4領域(右の首筋〜肩上部)に限局している。
  6. 可動域制限の質(エンドフィール) 肩関節自体の可動域(ROM)は比較的保たれているが、最終域で「詰まる感じ」がする。
  7. 全身倦怠感 「朝から体が重い」「疲れが抜けない」という訴えがある。

3つ以上当てはまる場合、筋骨格系のアプローチだけでは不十分です。

「内臓マニュピレーション(肝臓調整)」が必要になります。

カミヤ式・徒手療法のアプローチ

当スクールでは、この「肝臓のうっ血」を徒手のみで解消する技術を指導しています。

肝臓ポンピングと横隔膜リリース

施術のポイントは、「肝臓のポンプ作用」を助けることです。

呼気(吐く息)に合わせて肋骨弓の下に指を沈め、リズミカルな圧(ポンピング)を加えることで、スポンジから水を絞り出すように古い血液を排泄させます。

患者様への「食事指導」も治療の一部

徒手療法とセットで行うべきなのが、生活指導です。

  • 3日間の「プチ断脂(だんし)」 お酒だけでなく、酸化した油(揚げ物、スナック菓子)を3日間断つよう指導します。これだけで炎症物質が減り、痛みが半減するケースも多いです。
  • 右を下にして寝ない 重たい肝臓(約1.5kg)で自らを圧迫しないよう、就寝姿勢を指導します。

臨床報告:施術直後の「驚き」が信頼になる

正しくアプローチできると、施術中に患者様のお腹が「グルル...」と鳴り始めます(血流改善のサイン)。 そして起き上がった瞬間、

「あれ?右手が軽く上がる!」 「肩に乗っていた重りが消えたみたい!」

と驚かれます。肩には一度も触れていないのに、です。

この瞬間こそが、治療家として「原因を突き止めた」という最大の喜びであり、患者様からの絶対的な信頼を獲得する瞬間でもあります。

まとめ:筋肉しか見ない治療家で終わりますか?

「右肩が痛い」と言われて、右肩しか見ない。 それは、対症療法しかできないリラクゼーションと同じです。

プロの治療家として生き残るためには、「痛みという結果」ではなく、「痛みを引き起こしている原因(生理学・解剖学)」を診る目が必要です。

  • 内臓由来の痛みを見抜けるようになりたい
  • 「先生のおかげで原因がわかった」と感謝されたい
  • 食事指導まで含めた、トータルな健康サポートがしたい

そうお考えの先生へ。 カミヤ式技術伝授スクールでは、筋肉・骨格だけでなく、「内臓・神経・脳」まで含めた包括的な診断と技術を伝授しています。

正しくアプローチできると、施術中に患者様のお腹が「グルル...」と鳴り始めます(血流改善のサイン)。

そして起き上がった瞬間、

「あれ?右手が軽く上がる!」 「肩に乗っていた重りが消えたみたい!」

と驚かれます。肩には一度も触れていないのに、です。

この瞬間こそが、治療家として「原因を突き止めた」という最大の喜びであり、患者様からの絶対的な信頼を獲得する瞬間でもあります。

肝臓のうっ血が取れると、視界も変わる

肝臓は、東洋医学では「目」と深く関係しています(肝は目に開竅する)。

内臓のうっ血が取れて全身の血流が良くなると、右肩の痛みが消えるだけでなく、

「どんよりしていた視界がパッと明るくなる」という体験をされる患者様が非常に多いです。

なぜ、ソフトな刺激で内臓が動くのか?

「内臓をマッサージするなんて、強く押さないと届かないのでは?」と思われるかもしれません。 しかし、実際は逆です。

疲労して腫れている臓器は、強い刺激に対して「防御反応(筋性防御)」を起こし、硬く身構えてしまいます。

カミヤ式の内臓マニュピレーションは、脳が「攻撃」と認識しない「5g以下のフェザータッチ」で行います。

これにより、脳の防御モードが解除され、自律神経(副交感神経)が優位になることで、内臓が本来の動きを取り戻し始めるのです。

まずは、あなたの手で「内臓から痛みが消える瞬間」を体験しに来てください。

神谷 昌志

神谷 昌志

カミヤ治療院の院長。「あなたが回復すれば、あなたの周りも元気になる。」をモットーに、心身に悩みを抱える多くの人たちの回復をサポートしている。

【経歴】
整形外科 理学療法室勤務
平成7年 東京医療福祉専門学校卒業「鍼灸・マッサージ師免許」取得
平成18年より 江戸川区西葛西に「カミヤ治療院」2名で開業

👇 臨床の悩み、LINEで相談できます!

「右肩の痛み」「指の痛み」など、ブログでは書ききれない深い技術情報を配信中。
「自分の施術に自信がない」
「この患者さん、どう治せばいい?」
そんな現場の悩みも、プロの治療家に直接相談できます。

\ 3秒で登録完了 /