触れ方の、その奥にあるもの
技術の考え方
どこを揉むかを考える前に、私は少し違う問いを持ちます。どんな姿を目指し、そのために身体のどこへ意識を向けるのか。そして、触れた手には何が返ってくるのか。施術の外からは見えにくい、私なりの考え方をご紹介します。
目指す姿と、着目する場所
フェイスラインを美しく見せたいと思ったとき、気になる輪郭そのものにだけ目を向けるとは限りません。私は、周りを支える靱帯や腱、筋膜などの構造も考えます。
何を目指すかと、どこへ意識を向けるか。この二つを分けてみると、いつも触れている場所にも、別の見方が生まれます。
その手がかりになるのが解剖図です。名前を覚えるだけでなく、形や位置、周囲とのつながりを立体的に思い描いています。
弱い刺激と、手の使い方
強く押し込まないことは、手を動かさないこととは違います。手のひらをローリングするように使うこともあれば、部位によって肘を使うこともあります。
私が気にしているのは、動きの大きさだけではありません。触れたときの手応えと、それを受けて次にどう判断するかです。
ときには、薄い膜を通しているような感覚や、呼吸に似たリズムを感じます。これは私自身の触診感覚であり、どの組織がどれだけ動いたかを測定したものではありません。
名前が、イメージの手がかりになる
組織の名前を、小さく囁くことがあります。私にとってその名前は、単に唱える言葉ではなく、頭の中の形や位置を思い出す手がかりです。
立体的なイメージと、手から受け取る感覚。それらを結びつけながら施術を考えています。名前を口にすること自体が組織を動かす、と確認されたわけではありません。
今ある技術と、どう出会うのか
美容施術者の皆さんには、すでに身につけてきた手技や、お客様との経験があると思います。私が一緒に考えたいのは、その経験の中で身体の感じ取り方を広げられないか、ということです。
いつもの施術で、何に注目しているだろう。自分の手応えと、お客様の感想は同じだろうか。そんな身近な問いから読んでいただけたらと思います。
ここで紹介するのは私の経験と独自の技術思想です。特定の美容効果や作用、他者による再現性が実証されたことを示すものではありません。