感じたことを、急いで結論にしない
片側施術と身体の観察
施術をした側と、まだしていない側。両手で触り比べても、違いがよく分からないことがあります。私は、その感想も大切にしたいと思っています。片側から確かめる時間は、その方が何を受け取ったのかを知る時間でもあるからです。
片側から試すのは、入口の工夫
初めて私の施術を受ける方に、片側を先に施術して、ご自身で左右を確かめてもらうことがあります。言葉だけでは伝えにくい施術を、身体の感覚から知っていただくための工夫です。
いつも同じ側から始めるわけでも、毎回この順序を決めているわけでもありません。私自身には、少し遊び心のあるデモンストレーションという面もあります。
大切にしているのは、決まった順番を守ることよりも、受けた方が何を感じるかです。
手触りと、見た目を分けて聞く
フェイスラインであれば、ご自身の手で顔に触れた感じと、鏡で見た輪郭の印象があります。同じ顔を確かめていても、この二つは同じ情報ではありません。
触った感じには違いがあっても、見た目はよく分からない。あるいは、その逆かもしれません。どこに、どんな違いを感じたのか。ひとまとめにせずに伺いたいのです。
左右にはもともとの違いもあります。その場で感じたことだけから、施術によって何が起きたかを決めることはできません。
私の手応えと、ご本人の感覚
施術中、私の手には何かが動いたように感じられることがあります。けれど、その手応えを、受けた方にも同じように感じてもらう必要はありません。
違いが分からない、先ほどと同じに感じる。そうした感想も、その方が今受け取ったものです。私の感じ方に合わせて答えを探していただきたいわけではないのです。
施術者が感じたことと、受け手が感じたこと。それぞれを大切にするところから、もう少し聞いてみたいことが見えてきます。
変化を証明するための比較ではありません
私が行うこうした比較は、厳密に条件をそろえた試験ではありません。触った感じや鏡で見た印象から、特定の靱帯への作用や美容効果が証明されるわけでもありません。
それでも、自分の感覚だけで施術を終えず、ご本人に確かめてもらう時間には意味があると考えています。
今までの美容施術でも、施術者の見立てとお客様の感想が違うことがあるかもしれません。私は、その違いも含めて身体を知る入口にしたいのです。