背中が厚く見えるのは、脂肪だけの問題? 私が施術中に感じる不思議な変化

背中の開いた白いトップスで振り返る女性と「背中の印象を見直す」の文字を配した美容記事のAIイメージ。

自分の後ろ姿を、じっくり見たことがありますか。

正面から見た姿は気に入っていても、後ろから撮られた写真を見て驚くことがあります。

「あれ、背中がこんなに厚く見えるの?」

肩の周りが丸く見える。ブラジャーの上に段差ができる。洋服を着たとき、背中がもう少しすっきりしていたら。

年齢とともに、こうした悩みが気になる女性もいらっしゃいます。

私もこれまで、背中をすっきり見せたいという目的で施術を行ってきました。

そこで、少し不思議に思うことがあります。

背中のお肉を強く揉んでいないのに、施術後に「すっきりした」「スリムになった」と感じる方がいるのです。

もちろん、全員ではありません。

でも、この反応には私自身、興味があります。

いったい何が起きているのでしょうか。

最初に決めるのは、揉む場所ではない

私が美容の施術を考えるとき、最初にすることがあります。

それは、目的をはっきりさせることです。

背中をどう見せたいのか。

肩の周りをすっきりさせたいのか。それとも、背中全体を薄く見せたいのか。

その人が望んでいる姿を、まず頭の中で描きます。

これが私にとってのゴールです。

そして、そのゴールに向けて、どのような身体の構造を意識するのかを考えていきます。

私の場合、そこに筋膜やファシアという考え方が入ってきます。

筋膜をゴリゴリ揉まない理由

「筋膜にアプローチする」と聞くと、強く押したり、硬いところをゴリゴリほぐしたりする手技を思い浮かべる方もいるかもしれません。

私の方法は、少し違います。

そもそも、筋肉を力いっぱい揉みほぐすことを中心にはしていません。

触れる力は、非常に小さいものです。

私が大切にしているのは、筋膜やファシアの広がりを頭の中で立体的に思い描くこと。

背中のファシアと肩甲骨の位置関係を示す解剖イメージ・模式図
記事理解のための解剖イメージ・模式図です。美容効果や作用を示すものではありません。

そして、ごく繊細なマニピュレーションを行いながら、指先に伝わる感覚を探ることです。

表面を強くこするわけでも、深いところへ指を押し込むわけでもありません。

ところが、ときには、皮膚の下で何かが大きく動くような手応えを感じることがあります。

これは私自身の触診感覚です。

本当に筋膜がそのように動いているのかは、まだ分かりません。

それでも、その手応えを感じながら施術を進めているのです。

「脂肪が燃える」と思い描いてみることもある

ここは、少し変わった話になるかもしれません。

私は施術するとき、解剖図の組織をイメージするだけでなく、目的とする変化そのものを頭に描くことがあります。

背中をすっきり見せたいのであれば、そのような状態を思い浮かべる。

場合によっては、脂肪が燃焼していくようなイメージを持つこともあります。

ただし、それは私の頭の中で設定するゴールのイメージです。

イメージしたから脂肪が実際に燃焼する、という意味ではありません。

私が探究しているのは、目指す状態を意識しながら、非常に繊細なタッチで身体に触れる施術です。

そこには、私なりの言葉やエネルギーに関する考え方も含まれています。

では、そのような施術をしたあと、お客様は何を感じるのでしょうか。

「あれ、すっきりした」という反応

私が大切にしているのは、施術をする自分の感覚だけではありません。

施術後に、お客様自身にも身体を確かめてもらいます。

例えば、背中の気になる部分に手を当て、施術前と比べてどう感じるかを尋ねます。

すると、すっきりした、スリムになったように感じる、と話してくださる方がいます。

その感想を聞くと、私はやはり興味を引かれます。

強く揉み込んだわけではない。

脂肪の量を測って減少を確認したわけでもない。

それなのに、ご本人は手で触れて違いを感じている。

一体、何が変わったのでしょうか。

筋肉や周囲の組織の張りでしょうか。

姿勢や身体の使い方でしょうか。

あるいは、触れたときの感じ方そのものが違っているのでしょうか。

今の段階で、私には一つの答えに決めることはできません。

ただ、実際の施術でこういう感想を聞くことがあるからこそ、もっと確かめたいと思うのです。

今までのエステ技術に、一つ加えるとしたら

エステティシャンの方に、今ある手技をすべて変えてほしいとは思っていません。

長く磨いてきた技術は、そのまま生かしてよいと思います。

ただ、施術する前に、少し違うことを考えてみる。

このお客様は、どのような後ろ姿になりたいのだろう。

そのゴールを思い描き、身体の中にある筋膜やファシアの広がりを意識する。

そして、今までとは違う繊細なタッチで、どんな感覚が得られるのかを確かめてみる。

私が伝えたいのは、そんな身体の捉え方です。

もちろん、誰でも同じような手応えを感じられるか、同じ美容上の変化が得られるかは、別に検証する必要があります。

それでも私は、施術の面白さは、力の強さだけでは決まらないと思っています。

背中をすっきり見せたい。

そんな身近な美容の悩みに対して、ほとんど力を使わない施術を行う。

そして、そのあとご本人が背中を触ってみる。

そのとき、何を感じるのでしょうか。

私には、まだ分からないことがあります。

だからこそ、この小さな手の動きの中に、これからも何かを探していきたいのです。

※本記事は筆者の施術経験と独自の技術的な考え方を紹介しています。施術後の感想は主観的なものであり、脂肪燃焼、脂肪量の減少、特定組織への作用や美容効果を実証するものではありません。

神谷 昌志

神谷 昌志

カミヤ治療院の院長。「あなたが回復すれば、あなたの周りも元気になる。」をモットーに、心身に悩みを抱える多くの人たちの回復をサポートしている。

【経歴】
整形外科 理学療法室勤務
平成7年 東京医療福祉専門学校卒業「鍼灸・マッサージ師免許」取得
平成18年より 江戸川区西葛西に「カミヤ治療院」2名で開業

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