同じように触れたのに、なぜ左右で違う? 私がフェイスラインで試していること

アイキャッチはAIによるイメージです。実在の施術例や施術結果を示すものではありません。
右側にも、左側にも、同じように手を動かす。
外から見れば、ほとんど同じ施術に見えるかもしれません。
でも、私の中では、必ずしも同じことをしているわけではありません。
片側には、私が「エネルギーを使う」と呼んでいる独自の働きかけを加える。
もう片側には、同じようなマニピュレーションを行いながら、その働きかけを加えない。
私は、こんな比較をすることがあります。
そして、両側の違いを確かめます。
手の動きが似ているのに、施術の中身は違う。
ちょっと不思議な話でしょうか。
でも、私が長年探究してきた身体調整には、こうした考え方があるのです。
まず、お客様自身の手で確かめてもらう
私はフェイスラインの施術で、左右の違いを確かめることを大切にしています。
その方法の一つは、片側だけを先に施術することです。
右側から始めることもあれば、左側から始めることもあります。
片側を施術したところで、いったん手を止めます。
そして、お客様自身の両手で顔を触り比べてもらうのです。
「右と左で、何か違いがありますか?」
まずは、ご自身の感覚で確かめていただきます。
そのあと、反対側も施術します。
そして、もう一度両手で触って確認していただく。
さらに立って鏡を見てもらい、フェイスラインの印象も確かめます。
手で触った感覚と、鏡で見た印象。
この二つは、必ずしも同じではありません。
だからこそ私は、両方を大切にしています。
もう一つ、私が試している比較
ここからが、少し面白いところです。
先ほどは、片側だけ施術して、まだ触れていない側と比べる方法でした。
実は、それとは別の比較も行っています。
今度は、左右に同じようなマニピュレーションを行います。
しかし、私が施術中に意識していることを変えるのです。
片側では、独自のエネルギーに関する考え方を用いる。
もう片側では、それを用いない。
これも私が試してきた方法です。
私自身の臨床では、その違いに手応えを感じた経験があります。
ただし、これは厳密な条件で行った検証ではありません。
受ける方の期待や、もともとの左右差など、ほかの要因を取り除いて検証したものではないからです。
それでも私は、この比較に興味があります。
なぜなら、私が施術で大切にしているのは、手の動きだけではないからです。
私の頭の中には、下顎の解剖図がある
フェイスラインを美しく見せたい。
そう考えるとき、私はまず目指す輪郭を頭の中で思い描きます。
そして、その目的に合うと思う組織へ意識を向けます。
例えば、下顎の周辺にある支持靱帯です。
顔の皮膚や、その下にある組織を支える結合組織の一つです。

私はこうした組織の形や位置を、解剖図をもとに立体的にイメージします。
そこに、ごく繊細なマニピュレーションを組み合わせます。
組織の名前を、小さく囁くこともあります。
ただし、靱帯を直接つまんで引き上げているわけではありません。
外から手の動きを見ただけでは、何を意識しているかまでは分からないかもしれません。
でも、頭の中では、目指すフェイスラインと身体の構造を結びつけています。
私自身は、こうした立体的なイメージを用いる感覚を「右脳を使う」と表現しています。
そして、独自のエネルギーについての意識も、私にとって施術の重要な要素になっています。
指先で感じることと、鏡で見えること
私は、施術中の指先に返ってくる反応を大切にしています。
非常に弱いタッチでも、皮膚の下で何かが大きく動くように感じることがあります。
それは、私自身の触診感覚です。
どの組織が実際に動いているのか、その感覚だけで特定することはできません。
しかし、施術を進めるうえで、大切な手がかりになっています。
施術を終えてからも、私自身の感覚だけで判断することはありません。
お客様には、ご自身の手で触ってもらう。
鏡でも見てもらう。
そこで、どんな違いを感じるのかを伺います。
もちろん、その場ではっきり違いが分からないこともあるでしょう。
私が感じたことを、お客様にも同じように感じてもらう必要はありません。
施術者の手が感じたことと、受けた方が感じたこと。
この二つを比べることにも、私は意味があると思っています。
美容技術は、手の動きだけで決まるのでしょうか
エステティシャンの方なら、すでにさまざまなフェイシャル技術を学ばれていると思います。
どこに触れるか。
どの方向へ動かすか。
どの程度の力を加えるか。
こうしたことは、もちろん大切です。
でも私は、もう一つ考えてほしいことがあります。
その手技を行っているとき、頭の中では何を意識しているのか。
同じような手の動きでも、解剖学的なイメージや、目指すゴールを変えてみる。
私は、自分の身体調整の中で、そうした違いを探究してきました。
今までの手技を捨てる必要はありません。
その技術に、身体を立体的に捉えるという新しい発想を加える。
そして、実際に何を感じるのかを確かめてみる。
私が美容施術者の方に伝えたいのは、そんな技術の面白さです。
同じように手を動かした、その先に
フェイスラインを整えたいという目的で、身体の支持構造を思い描く。
そして、ごく繊細なマニピュレーションを行う。
手で触って、左右を比べる。
鏡でも確認する。
それでも、私にはまだ分からないことが残っています。
同じように手を動かしても、意識していることを変えたら、本当に結果に違いが生まれるのでしょうか。
生まれるとしたら、それは何によるものなのでしょう。
私自身の経験だけでは、まだ答えを出せません。
でも、だからこそ確かめてみたい。
美容の施術には、手技の手順だけでは説明しきれないと私が感じている部分があります。
その面白さを、いつか美容施術者の方とも一緒に確かめられたらと思っています。
※本記事は筆者の臨床経験と独自の施術思想を紹介したものです。左右差の観察は医学的に管理された比較試験ではなく、特定の靱帯への作用、独自のエネルギーの作用、小顔効果や再現性を証明するものではありません。
神谷 昌志
カミヤ治療院の院長。「あなたが回復すれば、あなたの周りも元気になる。」をモットーに、心身に悩みを抱える多くの人たちの回復をサポートしている。
整形外科 理学療法室勤務
平成7年 東京医療福祉専門学校卒業「鍼灸・マッサージ師免許」取得
平成18年より 江戸川区西葛西に「カミヤ治療院」2名で開業

