「頭の形も、きれいに見せたい」――ハチ張りに私が強く押さない理由

美容施術者向けのAIイメージ。実際の施術結果を示すものではありません。

顔を小さく見せたい。

フェイスラインをすっきりさせたい。

美容の悩みというと、まず顔に目が向きます。

でも、女性が気にしているのは、顔だけではないようです。

「頭の形も、もう少しきれいに見せたい」

特に若い女性の中には、頭の横幅や、正面から見たときの丸み、全体のシルエットを気にする方もいると聞きます。

美容施術者にとっても、頭の形は興味深いテーマではないでしょうか。

ところで、頭の形を美しく見せようとしたとき、皆さんならどうしますか。

両手で頭を挟んで、ぎゅっと押すのでしょうか。

私は、そういうことはしません。

頭を小さくすることと、きれいに見せること

頭の上の方が横に張って見える状態を、一般に「ハチ張り」と呼びます。

ここで私が最初に考えるのは、その方がどんな頭の形を望んでいるかということです。

横に広がって見える印象を抑えたいのか。

もう少し丸みのあるシルエットに見せたいのか。

それとも、顔とのバランスを整った印象にしたいのか。

同じ「頭の形が気になる」という悩みでも、理想とする姿は人によって違います。

私は、まずそのゴールを考えます。

ただし、成人の頭蓋骨を手で押して小さくするという意味ではありません。

骨そのものの大きさと、鏡に映ったときにどう見えるかは、別の問題です。

私が興味を持っているのは、後者です。

そして、そのための手段として、解剖学的な構造にも目を向けます。

私が気になっている、こめかみの奥の膜

頭の横側には、側頭筋という筋肉があります。

その表面を覆っている丈夫な結合組織が、「側頭筋膜(そくとうきんまく)」です。

側頭筋膜の位置関係を示す解剖イメージ・模式図
記事理解のための解剖イメージ・模式図です。美容効果や作用を示すものではありません。

解剖図を見ると、こめかみの周辺に広がっていることが分かります。

私は、こうした組織を施術の手がかりとして考えています。

頭の形をどう見せたいのかというゴールを定める。

そして、側頭筋膜などの構造を頭の中で立体的にイメージする。

そのイメージを持ちながら、ごく弱いマニピュレーションを行います。

強い力で頭を押し込むことはしません。

頭の周辺にそっと触れながら、指先に伝わる小さな手応えを感じ取っていきます。

私自身は、そこに独自のエネルギーに関する考え方も取り入れています。

もっとも、側頭筋膜を意識したからといって、その組織が実際に動いたとか、頭蓋骨の形が変わったと証明できるわけではありません。

あくまで、私が施術するときの身体の捉え方です。

でも、そこに面白さがあるのです。

短い施術なのに、違いに気づく人がいる

私の生徒さんから、頭の形を意識した施術を行い、お客様に喜ばれたという話を聞いたことがあります。

こういう話は、私にとっても興味深いものです。

施術を受ける方の中には、身体のちょっとした感覚や見た目の違いに、とても敏感な方がいます。

短時間の施術を受けたあと、鏡で確かめて、以前と違うように感じる。

そんな反応があったという話を聞くと、私は考えてしまいます。

一体、何が違って見えたのだろう。

実際に頭の輪郭が変わったのか。それとも、姿勢や髪の収まり、見ている角度なども含めた印象の違いだったのか。

そこまでは、まだ分かりません。

ただ、施術を受けた方が自分で違いを感じ、驚いたり喜んだりすることには、美容施術ならではの面白さがあります。

もちろん、同じ反応が誰にでも起こるわけではありません。

それでも、こういう話を聞くと、私もさらに確かめてみたくなります。

今あるヘッドケアに、もう一つの見方を

エステティシャンやヘッドスパの施術者の方には、それぞれ磨いてきた技術があると思います。

その手技を、急に全部変える必要はありません。

たとえば、今までどおりのヘッドケアを行う。

ただ、そこに「この方は、どんな頭の形に見えることを望んでいるのだろう」という視点を加えてみる。

さらに、解剖図に描かれた組織の位置関係を、頭の中で立体的に思い描いてみる。

私が伝えている身体調整の考え方は、そんなふうに、今までの技術に別の視点を加えることにも使えるのではないかと思っています。

ただし、この方法がどなたにも同じように再現できるかどうかは、まだ確かめていく必要があります。

鏡を見たとき、何を感じるのだろう

「ちょっと頭の形の印象を確かめてみましょうか」

そんなところから始まる美容施術があっても、面白いかもしれません。

施術前に自分の頭を鏡で見ておく。

ごく弱い施術を受ける。

そして、もう一度鏡を見る。

そこで何も感じない方もいるでしょう。

でも、中には、思いがけない違いに気づく方もいるかもしれません。

強い力を使っていないのに、どうしてそう感じたのか。

頭の形は、どのような条件で違って見えるのか。

私が指先で感じる手応えと、受ける方の印象には、何か関係があるのだろうか。

まだ、分からないことはたくさんあります。

それでも私は、そうした小さな驚きの中に、施術の新しい可能性が隠れているような気がしています。

次に頭の形を気にする方にお会いしたら。

私も、もう少しその違いを確かめてみたいと思っています。

※本記事は筆者の施術観と本人・生徒から得た経験的な情報を紹介しています。頭蓋骨の形状変化や美容効果、再現性が科学的に確認されたという意味ではありません。

神谷 昌志

神谷 昌志

カミヤ治療院の院長。「あなたが回復すれば、あなたの周りも元気になる。」をモットーに、心身に悩みを抱える多くの人たちの回復をサポートしている。

【経歴】
整形外科 理学療法室勤務
平成7年 東京医療福祉専門学校卒業「鍼灸・マッサージ師免許」取得
平成18年より 江戸川区西葛西に「カミヤ治療院」2名で開業

👇 臨床の悩み、LINEで相談できます!

「右肩の痛み」「指の痛み」など、ブログでは書ききれない深い技術情報を配信中。
「自分の施術に自信がない」
「この患者さん、どう治せばいい?」
そんな現場の悩みも、プロの治療家に直接相談できます。

\ 3秒で登録完了 /