「疲れてる?」と言われたくない。ゴルゴラインと、私が指先で感じる不思議なリズム

「最近、なんだか疲れて見える」
そんなふうに鏡の中の自分を見て、気になったことはありませんか。
十分に寝たはずなのに、顔が疲れて見える。
以前より、目の下から頬にかけて影ができやすくなった。
写真に写った自分の顔を見て、初めて気づくこともあるかもしれません。
その原因の一つとして気にされるのが、いわゆる「ゴルゴライン」です。
目の下から頬にかけて、斜めに見える線やくぼみのことです。
フェイシャルに携わる方なら、こうした悩みにどう向き合うか、考えたことがあるのではないでしょうか。
頬を引き上げる。
目の下を優しくケアする。
いろいろな方法があると思います。
でも、私が今日お話ししたいのは、少し違うことです。
施術者の指先は、いったい何を感じ取っているのでしょうか。
まるで、薄い膜に触れているような感覚
私は普段、顔の施術をするとき、目の下から頬にかけての辺りにも手を入れます。
ただし、強く押したり、皮膚をぐいぐい引っ張ったりすることはしません。
とても繊細なタッチです。
どのくらい繊細なのか。
言葉で伝えるのは少し難しいのですが、私自身は「薄い膜にそっと触れているような感覚」と表現しています。
実際に、指先で特定の膜をつまんでいるわけではありません。
もっと微妙な感覚なのです。
そして、ときどき、その膜のように感じられるものに、ゆっくりしたリズムを捉えることがあります。
まるで呼吸をしているような。
寄せては返す波のような。
私は、そんな感覚を指先で探りながら施術しています。
不思議な話に聞こえるでしょうか。
私にとっては、長年の施術で大切にしてきた感覚の一つです。
その「膜」は、いったい何なのだろう
顔の皮膚の下には、脂肪や筋肉、筋膜、さまざまな結合組織があります。
頬の形を支える組織もあります。

こうした構造を解剖図で知ることは、もちろん大切です。
でも、私が指先で感じているものが、そのうちのどの組織なのか。
実は、はっきりとは分かりません。
私はファシアなどの結合組織を意識して施術していますが、指先で感じる独特のリズムが、そのまま特定の組織の動きを示しているとは限りません。
東洋医学でいう経絡のような考え方とも、何か関係があるのだろうか。
そんなことを考えることもあります。
ただ、今はまだ想像の段階です。
経絡という実体の膜を触診している、と確かめられたわけではありません。
それでも、私には興味深い感覚なのです。
名前が分からなくても、手で感じていることがある。
そこから、私の施術の探究が始まることもあります。
解剖図だけでは身につかないもの
私は靱帯や腱、筋膜などの構造を、頭の中で立体的に思い描きながら施術します。
ごく小さなマニピュレーションを行い、独自のエネルギーに関する考え方も取り入れています。
でも、解剖図を覚えるだけでは、私の技術のすべては伝わりません。
指先の感覚が必要だからです。
ほんのわずかな手の動きで、相手の身体からどんな反応が返ってくるのか。
何かが変化したように感じたとき、その違いを捉えられるか。
私は、ここを大切にしています。
そのため、生徒さんにも、まず手で感じ取る練習をしてもらうことがあります。
すぐに何かを感じる人もいれば、なかなか分からない人もいるでしょう。
私自身、こうした繊細な感覚は簡単に言葉で説明できるものではないと思っています。
だからこそ、実際に触れ、何を感じたかを確かめることが大切なのです。
ゴルゴラインにも、この考え方は使えるだろうか
さて、最初の頬の話に戻ります。
私は、ゴルゴラインを目的として施術した経験が、まだ豊富にあるわけではありません。
ですから、この方法でゴルゴラインが目立たなくなった、とお伝えすることはできません。
ただ、普段の顔の施術で、この周辺に手を添えることはあります。
そして、頬の奥にある組織を立体的に思い描きながら、非常に繊細なタッチで施術しています。
もし、ゴルゴラインを目立たなくしたいという目的を持って、この方法を応用するとしたら。
どのような手応えがあるのでしょう。
施術する私の指先には、何が伝わってくるのでしょうか。
そして、受ける方は鏡を見て、何を感じるのでしょうか。
私はそこを、これから確かめてみたいと思っています。
美容施術者の方に知ってほしいこと
フェイシャルの技術を学ぶとき、どうしても手の動かし方に目が向きます。
どこからどこへ流すのか。
どのくらいの圧で触れるのか。
それも大切でしょう。
でも、私はもう一つ、知ってほしいことがあります。
それは、触れている施術者自身が、何を感じ取っているかということです。
薄い膜に触れるような、ごく繊細なタッチ。
その奥に、私には呼吸するようなリズムが感じられることがあります。
誰にでも同じ感覚があるのか、それが身体の何を反映しているのかは、まだ分かりません。
でも、こうした感覚を学ぶことには、手技の順番を覚えるのとは違う面白さがあると思っています。
頬を上へ引き上げる前に、そっと触れてみる。
そのとき、指先は何を教えてくれるのでしょうか。
私は今でも、その問いに興味を持ち続けています。
※本記事は筆者の施術経験と主観的な触診感覚を紹介したものです。「膜のリズム」は感覚的な表現であり、特定の膜や経絡の動き、ゴルゴラインの改善効果が確認されたことを意味しません。
神谷 昌志
カミヤ治療院の院長。「あなたが回復すれば、あなたの周りも元気になる。」をモットーに、心身に悩みを抱える多くの人たちの回復をサポートしている。
整形外科 理学療法室勤務
平成7年 東京医療福祉専門学校卒業「鍼灸・マッサージ師免許」取得
平成18年より 江戸川区西葛西に「カミヤ治療院」2名で開業

