目元がぱっちりする?眼瞼挙筋腱膜に着目した美容施術を自分で試してみた

目元をぱっちり見せたいとき、どこに目を向けますか。
まぶたでしょうか。目の周りの筋肉でしょうか。
私が気になったのは、もう少し奥にある、薄い膜のような構造でした。
目の周りにそっと手を添え、その構造を頭の中で思い描きながら、私なりのごく弱い調整を試したことがあります。
そのとき、自分では「目が少しぱっちりするような感じ」がありました。見た目の変化を測ったわけではありません。それでも、私には次の疑問が生まれました。
そもそも、私は何を意識して施術していたのだろう。
疲れ目への関心が、思いがけない入口になった
もともと私が目元に関心を持ったのは、美容のためではありません。
施術の現場では、目の疲れを訴える方もいます。私はそうした相談に向き合うなかで、目の周辺をどう捉え、どう触れるかを考えてきました。
そこから、ふと別の方向に興味が広がりました。
「目元の印象をすっきり見せたい」という美容の希望を考えるなら、私が普段大切にしている身体の見方から、何か考えられないだろうか。
ただし、疲れ目の施術と美容の印象づくりは同じ話ではありません。その違いを意識しながら、まずは目を開く仕組みを解剖図で確かめてみることにしました。
目を閉じる筋肉と、開くための仕組みは違う
目元の説明では「眼輪筋」という名前を見かけます。眼輪筋は主にまぶたを閉じる動きに関わる筋肉です。
一方、上まぶたを持ち上げる主な筋肉は上眼瞼挙筋。その力をまぶたへ伝える構造の一つが、眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)です。

長くて覚えにくい名前ですね。
私が面白いと感じたのは、この名称を覚えること自体ではありません。
目の表面だけを見ていたときには意識しなかった構造を、頭の中に立体的に思い描けるようになる。すると、施術中に何を感じ取りたいのか、その問いが変わってきます。
私の施術は、筋肉を力任せに揉みほぐすことを中心にしていません。結合組織などの位置や広がりをイメージし、組織の名前を小さな声で囁くこともあります。独自のエネルギーについての考え方と、ごく弱いマニピュレーションを組み合わせながら、手に返ってくる感覚を大切にしています。
そうした私自身の方法を、目元でも試してみたのです。
「ぱっちりした気がする」を、どう受け止めるか
自分で試したときに感じたのは、目が少しぱっちりするような印象でした。
けれども、その感覚だけで「眼瞼挙筋腱膜が動いた」「目が大きくなった」と結論づけることはできません。期待や意識の向け方が感じ方に関わる可能性もあります。
私が知りたかったのは、そこで話を終わらせず、人が違えば感じ方も違うのかということでした。
その後、スタッフなどにも施術を試し、どのように感じるかを確かめてきました。全員に同じ反応が出ると確認できた、という意味ではありません。
むしろ、自分の手応えと受け手の言葉を区別して聞くことが、次の着眼点につながります。
美容施術者の方へ。目元は「どこを押すか」だけではない
エステティシャンの皆さんは、お客様が「目元をすっきり見せたい」と話す場面に接すると思います。
そのとき、施術者がどこを触れるかと、頭の中でどの構造に着目しているかは、必ずしも同じではありません。
私の場合は、疲れ目への関心から始まり、眼瞼挙筋腱膜という構造を知り、自分で試すことにつながりました。
解剖の名称を知っただけで、美容上の結果が出るわけではありません。それでも、手順を一つ増やす前に身体の見方を一つ増やしてみる。その発想には、施術を続ける人ならではの面白さがあると感じています。
目元の印象を考えるとき、皆さんなら何を観察しますか。
※本記事は筆者自身の主観的な体感と施術経験、独自の技術思想の紹介です。眼瞼挙筋腱膜への直接作用、客観的な美容効果、疲れ目の治療効果や再現性を実証するものではありません。眼球やまぶたへの押圧を勧めるものでもありません。
神谷 昌志
カミヤ治療院の院長。「あなたが回復すれば、あなたの周りも元気になる。」をモットーに、心身に悩みを抱える多くの人たちの回復をサポートしている。
整形外科 理学療法室勤務
平成7年 東京医療福祉専門学校卒業「鍼灸・マッサージ師免許」取得
平成18年より 江戸川区西葛西に「カミヤ治療院」2名で開業

